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私たちの想い

Gifu Society of Perinatal Mental Health

 

周産期医療の近年の発展は目覚ましく、受胎後早期からの医療的介入が可能となり、過去には助からなかった生命が生き存えることも少なくない時代となりました。

 

変わるものがある一方、変わらぬものもあります。 それは、「こころ」の問題です。
 

新しい生命を宿したほとんどの女性が、安全・安心なお産と、元気な我が子を抱く夢を持ちながら、妊娠生活を送ります。それを支える男性もまた、目に見えぬ新しい生命を心のどこかに感じながら、数ヶ月後に訪れるであろう新たな生活を思い描くのです。

 

一方、私たち周産期医療に携わる者の周囲では、後遺症や障害とともに生きることを余儀なくされる子どもも数多く存在します。生命の時間 が非常に短かったり、生きた赤ちゃんと対面できない場面に向き合うことも少なくありません。こういった「いのちの現場」に生きる私たちは、医学的アプローチに加えて、精神的な支えとなることを求められてもいます。

 

常に変化していく赤ちゃんと家族の物語をしっかりと見つめながら、赤ちゃんと家族が育っていく過程を支えていける場であること。これが 周産期医療現場に求められはじめています。

 

すべての赤ちゃんと家族は、「こころ」の安らぎを求め、「こころ」の葛藤を理解してくれる医療者の存在が不可欠でもあるのです。そして、 周産期に適切な「こころ」のサポートが得られたとき、産後うつ病や乳幼児虐待の予防にも繋がると考えられます。 こういった、周産期医療の「こころ」へのアプローチこそ、周産期精神保健が目指すところでもあります。

 

 

岐阜県での周産期精神保健は、地域性から鑑みても様々な問題を抱えております。 家族の「こころ」の動きに機敏な対応が求められてもそれに応じることのできないマンパワーの現状、NICUと産科医療機関とで分離された母親の「こころ」に対するアセスメントと支援の困難さ、周産期医療機関で働く者自身への「こころ」のサポートの不十分さ、亡くなっていく赤ちゃんと家族への「こころ」の寄り添いの独学によるアプローチしかできない現状、NICUを退院した後の子どもの発達アセスメントと家族への支援の未熟性、などです。

 

周産期医療が単一の医療機関のみで完結するものではないのと同様、周産期精神保健も単一の医療者(産科医、小児科医、助産師、看護師など)で完結させられるものではありません。そこには、臨床心理士、MSW、保健師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、歯科衛生士、保育士など多職種の連携があってこそ、より幅広く、奥深い「こころ」への理解ができるのです。そしてそういった多職種連携を県内全体で行うには、お互いが顔が見える関係でなければなりません。

 

このたび、岐阜県内で周産期・新生児医療機関の現場に関わる様々な職種の人々が集い、赤ちゃんと家族が「いのちの物語」を紡ぐ過程への支援のあり方を研究・実践することを目的に、「ぎふ周産期こころの研究会」を設立致します。

平成25年11月4日

発起人 高橋雄一郎、寺澤大祐 

 

ことばの抜け殻や

ことばのすきまを

心の強さで補いながら

傷つけ合って かばい合って

そうやって生きている

 

人間って、哀しいね

だって、みんなやさしい 

 

この研究会のなかでのルール

全ての参加者と、私たちの患者さんを守るためにお約束頂きたいこと

 

・この研究会ではいくつかのグループワークを行いますので、最初からグループ分けを行っております。同じグループの方々と積極的に意見や情報の交換を行って頂ければと思います。

 

・その現場に直面して悩んだ者でしか分からない苦悩があります。

 

・すべての意見は尊重されます。

 

・意見を表出しない、ということもまた、尊重されます。

 

・個人情報が多く含まれています。会場を出た後には個人情報の取り扱いに十分ご注意下さい。

 

・会場内での録画、録音、写真撮影はお断り致します。事務局でも録画、録音は行いませんので、自由に御発言下さい。ただし、事務局の記録用に写真撮影を適宜行いますのでご了承下さい。公表は致しません。

 

・発表者の方々からお預かりした発表データは、研究会の終了後に全てPCから削除致します。

 

・グループワークで提出して頂いたグループの記録用紙は、個人情報が特定されない形に処理した上でホームページ上に掲載することがあります。

 

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